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ヤマノアヤコの『ロマンティック・アンティック・エキゾティックワールド』

◆皆様へお詫びとお願い…ただいまヤマノアヤコのイラスト活動を一時休止しております。ご迷惑をおかけ致しますがご理解宜しくお願いします。


by Ayako-ko
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森鴎外は饅頭茶漬けがお好き

オススメ本を2冊。
新潮社より『文人悪食』と『文人暴食』。
嵐山光三郎著の、明治〜昭和の代表的な日本の文士を食癖を通して解明する日本近代文学史です。

まずは『文人悪食』。
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文士それぞれのキョーレツな食癖もさることながら、“島崎藤村は姪と道ならぬ仲となった挙げ句に廃人にしてしまった”とか、“中原中也は実は醜男で弱いくせにケンカっ早い性格だった”といった、本人が秘密にしたおきたいようなスキャンダラスな内容満載。
夏目漱石、石川啄木、三島由紀夫などなど、教科書では厳格なイメージさえあった超有名文士達が、思った以上に卑しく人間的な事に驚かされっぱなしです。

続いて続編とも言える『文人暴食』。
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こちらは前作が超々有名人ばかりだったので、若干地味な人選ですが、小泉八雲、南方熊楠、寺山修司などのヒトとなりが赤裸裸に描かれています。
こちらでも文人の個性的な食癖を通して、“二葉亭四迷の名の由来は「くたばってしめい」だった”とか、“向田邦子は飛行機事故で亡くなる七ヶ月前に「飛行機墜落を恐れて直前キャンセルする元パイロットのエッセイ」を書いていた”と言った興味深い内容が散りばめられています。

この2冊は併せて約1100ページありますが、決して飽きずに何度でも読めます(私は現在3巡目)。
「食」で文学史を切るというアイデアがありそうで無かったですよね。誰もがする行為「食事」だからこそ、生い立ちや好みが色濃く現れ、個性が浮き彫りにされています。
そしてやはり、著者自身が元編集者で文中の何人かとは実際に交流があった為、ナマの現場の話が語られているということ、そして著者が10年の歳月をかけて色々な文献からまとめた大作ということが大きな魅力となっていると言えます。
あとワタクシ個人的に、沢山の人物が出て来る史実なので読み進むうちに前出の話を忘れてしまい、毎回新鮮な気持ちで再読できるということや、その人物の奇行や時代に惹かれ作家の作品に興味を持つという事も楽しめる一因でもありました。
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by ayako-ko | 2008-07-18 11:40 | その他